伊豆半島全域

地域づくりとジオパーク(2023年4月~変更)

①伊豆半島ジオパークにおける環境保全と防災対策(~2023年3月)
②伊豆半島ジオパークの持続可能な開発と教育(SDGs/ESD)の推進(~2023年3月)

フィールドワーク協力事業者
伊豆半島ジオパーク推進協議会
伊豆半島ジオガイド協会
西伊豆町災害ボランティアコーディネーター連絡会
浜松市学校生活協同組合
静岡県立浜松工業高等学校
静岡県賀茂地域局
株式会社伊豆バス

フィールド担当教員【専門領域】
小山 眞人 (地球科学、防災科学)
山本 隆太 (地理学、人類学、教育学)
内山 智尋 (社会科学、社会学、社会福祉学)

 ジオパークは、大地が育んだ資産の保全と活用を通じて地域社会の持続的な振興を図る国際プロジェクトである。
 伊豆半島は、2000万年来の火山活動や地殻変動の生んだ豊かな自然と、そこに育まれた生態系・地域社会の歴史・特産物・文化などが高く評価された結果、2018年4月に国内9つめのユネスコ世界ジオパークの認定を受け、今後一層の活動推進が期待されている。
 フィールドワークでは、2つのグループに分かれ、保全と防災グループでは、ジオサイト保全のための環境負荷センサーの開発、地域住民による防災まち歩きと連動した情報共有ウェブサイトの開発と改良、新型コロナウイルス対策用のオンライン版も含めたジオツアーや防災まち歩きの開発・検証等を行っている。
 教育グループでは、ジオパークでの教育活動の幅を広げるために、SDGs(ユネスコの提唱する「持続可能な開発目標」)を軸としながら、VR(バーチャルリアリティー)の活用、漁業やダイビングとジオパークの視点(ウオジオ)、大学生目線での健康と教養のクアオルト×ジオツアーなど、プログラムの開発とその教育普及に取り組んでいる。

地域防災Web
西伊豆防災まち歩き




活動紹介

2022/07/20

伊豆市で育まれた技術と地元を愛する人々を巡るFW(7月9日)

今回は、東部サテライトに常駐する内山が中心となり、訪問先の調整等を行い見学型のフィールドワークを実施しました。私自身、着任してからまだ6か月という限られた時間のなかで、知りえた情報や出会えた人たちはそれほど多くありませんが、その中でも学生に是非知ってもらいたい場所や人々を紹介する機会となりました。それぞれの訪問先では、事業に対する考え方、現在抱える課題、そしてこれからの構想などにつき多くのことをお話しいただきました。参加した学生の皆さんも、地域に生きる人たちの想いや苦労話などを伺い、それぞれが感じるものがあったのではないかと思います。 まず、最初に訪れたのは、「オートクラフト.IZU」です。 ... 続きを読む
2022/07/07

伊豆半島ジオパーク(教育)と東伊豆町フィールドの取り組みが、新聞に掲載されました

伊豆半島ジオパーク(教育)フィールドの取り組みが、7月5日『伊豆新聞』、7月7日『静岡新聞・朝刊』に掲載されました。 伊豆半島ジオパーク(教育)フィールドワークグループは、今回出石の修善寺温泉街で、地域の高齢者を対象に『スマートフォンの講習会「防災サイトの使い方」』を開きました。学生は、ウェブサイト検索方法等を指導し、参加者は自宅周辺の危険度を確かめ、防災意識を新たにしたようです。 また、7月6日には、東伊豆町フィールドのグループメンバーと稲取高校の交流について、『中日新聞』に掲載されました。 大学生と高校生がそれぞれの学びの違いを話し合い、将来のキャリアを考える交流会をオンラインで ... 続きを読む
2022/07/07

スマートフォンを活用した「防災サイトの使い方」イベントを行いました。(7月3日)

修善寺の「居場所 ののはな」で、スマートフォンを活用した「防災サイトの使い方」と題したイベントを行いました。 このイベントは、6月27日から7月3日まで「ののはな」で開催された「修善寺災害の歴史展」の一部として行ったものです。修善寺温泉地域に暮らす高齢者の方々を対象に、スマートフォンの使い方を通して防災意識を高めてもらうことを目的として開催しました。 当日は、まず初めに修善寺で過去に起こった災害を振り返り、次に、そういった自然災害から身を守るために、避難の判断の助けになる防災サイト(①から③)を紹介しました。 ①重ねるハザードマップ(危険個所の認知) ②キキクル(豪雨時の自宅付近の ... 続きを読む
2022/06/20

修善寺周辺の防災まち歩きと7月3日の防災イベントの準備(6月19日)

 午前中は修善寺温泉にて次回7月3日のイベントに向けて防災まち歩きを行いました。  ジオリアから指月殿、おしゃぶりばあさん像、独鈷の湯、赤蛙公園、修善寺小学校と巡りながら、桂川の河川の氾濫や、斜面の土砂災害防の危険地区とされる場所を見学しました。  午後は、「ののはな」の池田さん協力のもと、7月3日に行われる修善寺災害パネル展の準備を行いました。3年生は池田さんとイベントの内容確認、2年生は展示する資料の選別、会場のレイアウト作成など、イベントのための活動を行いました。ストーリー性のある見やすいレイアウトの作成に努めました。修善寺の災害について改めて学ぶ機会となりました。 ... 続きを読む
2022/05/30

修善寺のアート 伊東の漁業(5月21-22日)

防災イベントを企画するための下見を兼ねた、修善寺のフィールドワークを行いました。主に中伊豆でジオガイドとして活動している安藤祐夫さんに助言や解説をいただき、「そもそも修善寺温泉とは何か」を考えながら修善寺の街を歩きました。 昔は自然湧出していた修善寺八湯などのジオスポットを通して昔を知り、どのように今の修善寺温泉に至っているのか理解するというジオガイドならではの視点を体感することができました。また、桂川の掘削工事がどう進んだか、歌川広重の絵と現代の桂川の様子を比べたり、修善寺総合会館が桂川の埋め立て地に建てられたものであるということを、地理を見ながら理解したりすることで、防災と修善寺のジオと ... 続きを読む
2022/05/20

修善寺の土と藁と森 工芸と森林保全の体験(4月23日)

2022年度の本フィールドワークは、アートをテーマにしたジオパーク体験から始めた。 伊豆半島には火山や植生を生かした文化や伝統工芸が受け継がれている。現在でもその特別な自然環境に惹かれて、数多くのアーティストが移住している。今回はその中でも修善寺における伝統工芸である麦わら細工と、陶芸の工房を訪問した。 〇麦わら細工は、大麦を編んで箱や飾りを作る工芸である。修善寺の晨(あした)さんは、当地に江戸中期に始まった技法を伝えており、いまや静岡県内で唯一の工房となっている。 〇陶芸には土が必要だが、伊豆半島は火山が多く、火山から出る火山灰を土として使うと独特の風合いがでる一方で、初心者に扱いにく ... 続きを読む
2022/03/15

三島のまちあるき教育イベントのテストツアーを実施しました。(3月13日)

 伊豆半島ジオパーク教育班は、2022年3月12日・13日に三島のまちあるき教育イベント「しょしんさんぽ」「みらいさんぽ」のテストツアーを実施しました。 本ツアーは静岡大学地域創造学環の3年生が講師となり、三島の小・中・高生を対象に地元の良さを見つけるまちあるきと、持続可能な社会づくりについて考えるワークショップを組み合わせた教育イベントです。しかし、まん延防止等重点措置の期間が延長されため小中高生の募集はせず、今回は大学1年生を対象としたテストツアーとして実施しました。  まちあるきは白滝公園からスタートして楽寿園、源平川、三島梅花藻の里、下田街道、三嶋大社、浅間神社など、三島の「大地と ... 続きを読む
2021/11/07

ガラス誕生の地、西伊豆町を巡見!

 11月6日からのフィールドワーク2日目は、西伊豆町宇久須村にある伊豆珪石鉱山を訪れました。東海工業株式会社伊豆事業所様のご協力のもと、入山教育を受けた上で鉱山の見学をさせて頂きました。  かつて日本の板ガラスの原料のうち9割もの産出を誇っていた鉱山ですが、現在は閉山しています。閉山した鉱山は森林法により緑化が義務付けられていますが、当鉱山では強い酸性の土壌や鹿の食害に悩まされており、一生付き合って行かなければならない課題であると伺いました。  また、ガラス誕生の地としての背景を持つことから、宇久須村は「ガラス文化の里づくり」を推進しています。1997年に設立された黄金崎クリスタルパークも ... 続きを読む
2021/11/06

修善寺にて噴火の実験補助 即席ガイドにも挑戦!(動画あり)

 11月6日、修善寺総合会館で行われた「教員のためのESD講座」に、実験補助としてジオパーク教育班が参加しました。実験はジオパーク推進協議会の遠藤大介先生の指導のもと行い、修善寺周辺で野外観察も行いました。実験の内容は、噴火や溶岩などに関するものを身近な食べ物等を使って体験しました。メントス噴火ではコーラにメントスを入れると溢れるという反応を、火山の噴火に見立てて行いました。安息角斜面という実験では、火山灰が積もって山になる様子を砂とポンプを使って観察しました。この実験にはジオパーク教育班も実際に体験させて頂きました。午後に行われた野外観察では、修善寺周辺を歩いてジオに関連する場所の説明を受け ... 続きを読む
2021/10/17

ジオパークを歩いて「健康と教養」を高めるツアー実施!

 10月17日、松崎町雲見にて、ジオパークをめぐるジオツアーに健康ウォークの手法(クアオルト)を掛け合わせた「ジオクアオルトツアー」のテストツアーを実施しました。町内外から12名の参加者が集まり、雲見の美しい自然と文化に触れながら、ウォーキングと温泉入浴で健康増進をはかりました。  このツアーは静岡大学地域創造学環の永井結登(3年)が「地域住民の健康増進と新しいツーリズムの開発」をねらいとして発案し、準備を重ねてきたものです。当日のツアーでは、脈拍数をはかることで参加者に健康(運動強度)を意識してもらいつつ、烏帽子山や思い出岬といった風光明媚な場所を巡りました。北嶋泰成(3年)は、目の前に広 ... 続きを読む
2021/06/20

ジオパーク×漁業の取組みをはじめました。

 6月20日に西伊豆エリアの戸田、堂ヶ島でコロナ禍での漁業や飲食業についてのヒアリングを行いました。  最近注目を集めている「戸田(へだ)漁港直送!深海魚直送便」を仕掛けた青山沙織さんにお話を伺いました。地域おこし協力隊として戸田に入ってからのご経験とともに、コロナ禍での深海魚便の展開を伺いました。  堂ヶ島では、堂ヶ島食堂の鈴木洋史さんにお話を伺いました。西伊豆で育った鈴木さんは、留学などの様々なご経験を活かし漁から飲食まで、幅広い視野にたって食堂を経営されています。コロナ禍ではアニメ「ゆるキャン△」の影響も大きかったとのことです。  近年、伊豆半島ジオパークでは「伊豆の海ジオ」プロジ ... 続きを読む
2021/05/30

松崎での「健康と教養」のツアー開発中

伊豆半島ジオパーク教育班では,スポーツプロモーションコースの学生を中心に「健康と教養」をテーマとしたツーリズムの在り方を検討しています。伊豆半島ジオパークにはジオガイドの方々によるガイドツアーが知られていますが,ここに健康増進の要素を組み合わせることで新たな観光や教育の在り方を見出すことを目指しています。5月29日・30日には松崎町の松崎地区・雲見地区にて,健康を意識したジオツアーを開発するための下見を行いました。引き続き研究を重ね,10月にパイロット版ツアーを実施する予定です。 ... 続きを読む
2020/11/07

浜松地域のジオツアーをオンラインで実施

 ジオパーク(保全と防災)班では、浜松・浜名湖ジオパーク構想にもとづいて地域の魅力を再発見・普及する活動を、浜松市学生生活協同組合との連携の下に進めています。本年はコロナウイルス対策の必要性から、自宅にいながら参加できるオンラインジオツアーの開発プロジェクトに力を入れています。  本年9月5日の第1回オンラインジオツアー「奇跡の湖・浜名湖〜五感で体験する、ふるさとのジオドラマ〜」に引き続き、今回はオンラインジオツアー第2回「奇跡の川・天竜川〜あばれ天竜が生み出した?!浜松の大地と産業〜」を、ネット会議ツールZoomを用いて実施しました。参加したのは、浜松・湖西両市内の全小学校への募集に応じた ... 続きを読む
2019/03/25

2018年度後期活動報告(環境班)

2018年10月13日(土)  ふじのくに地球環境史ミュージアムにて開催されたアースサイエンスウィークジャパンに参加しました。午前中は、ふじのくに地球環境史ミュージアム内の視察及びジオガシ旅行団による「ジオ菓子作り」を体験しました。ふじのくに地球環境史ミュージアムでは、静岡県内の地形のでき方や生態系サービス、自然や里山についてなど、地球の成り立ちから人の営みまでを網羅的に説明しており、ジオ教育の一端を担っていると感じました。そして、「ジオ」「エコ」「ヒト」の3要素をつながることが「ジオパーク」であるということを再確認できました。 ジオ菓子作りの様子 2018年10月14日(日 ... 続きを読む
2018/09/15

2018年度前期活動報告(教育班)

2018/5/12(土)~2018/5/13(日) ・三島っ子体験塾スタッフ  三島の小学生を対象とした学習体験活動のお手伝いをさせていただきました。チョコレートを用いた溶岩実験や野外でのフィールドワークなど、子供達と一緒に学習活動を楽しみました。 2018/6/2(土)~2018/6/3(日) ・ジオサイト見学(伊豆半島東部)  大室山をはじめとする伊豆半島東部のジオサイト見学を行いました。ジオツーリズムが発達したジオサイトの実態を調査しました。 ・国際地理オリンピック研修会スタッフ  国際地理オリンピックに向けてオリンピックに参加する高校生を対象とした研修会の支援を行 ... 続きを読む
2018/09/01

2018年度前期の活動について(環境班)

5月12日(土) 【環境負荷センサー、実証実験】  この日は昨年度から作成している環境負荷センサーの実証実験をしました。ジオリアに設置許可をいただき、この日から数週間にわたって、野外環境での運用テストを開始しました。夜にはNHKブラタモリ「天城越え」を、出演された鈴木雄介研究員とともに視聴しました。 階段に設置されたセンサー 環境負荷センサー 5月13日(日) 【堂ヶ島のジオツアー】  この日は前日までに今回のFWで進める予定だった範囲まで完了したため、ジオサイトの堂ヶ島へ訪れることになりました。同時に堂ヶ島のある仁科地区の津波避難所も視察しました。そこで小山先 ... 続きを読む