活動紹介

伊東・富戸の水産業フィールドワークについての学生報告(7月18日)

〇7月18日は朝5時から伊東市富戸漁港で定置網漁の見学を行いました。実際に船に乗り、サバや沖サワラ、魚以外にもトビエイやイカ、亀など様々な種類の生き物を間近で見ることができました。伊東の海は底が急に深くなるため、岸に近くても定置網を行うことが可能で、船の揺れに慣れていない学生でも見学しやすい活動だと感じました。また、大人数で網を引く姿は非常に迫力がありました。また、人力だけでなく網にセンサーを取り付け魚の数や種類をある程度管理するなどICTも活用していました。定置網漁の見学が終わったあと、伊東漁港にて今朝上がったばかりの魚のセリの様子などの漁港見学を、伊東商業高校の生徒のみなさんと行いました。その後、伊東市役所にて高校生と漁師の方々に参加していただき水産業ワークショップを行いました。ワークショップの第1部では、漁師の日吉様による漁業に関する後継者不足問題や水産物自給率の低下のお話を聞き、その問題に対してどのような解決策が考えられるかを、高校生、大学生、漁師の方が入り交じった4つのグループに分かれて話し合い、後継者不足問題に対しては都会へアプローチをかけたり魚を買って食べてくれる応援団を増やすという意見が出ました。また、新たな魚の売買方法として、YouTubeやInstagram、アニメを利用するなどの意見もありました。第2部では、まず商業デザインについて学び、その後漁業と伊東にちなんで「伊東ナゲット」の魅力をPRするにはどうしたらいいかを「ターゲット」「媒体」「強み」の商業デザインを作る手順にそって高校生たちと話し合い、学び合うことが出来ました。

〇今回のワークショップは後継者不足や資源管理など水産業におけるあらゆる課題を高校生、大学生、漁師の方々が話し合うことによって新しいアイデアや気にかけるきっかけになればという思いで開催した。実際に第一部では日吉様の率直な漁業に対する危機感を伝えていただいた。具体的には漁師の高齢化促進は魚介類の食料自給率と密接に関わっており、同様に危機に陥っていることや、日本が過去に資源を取りすぎた事実を認めていかなければならなく、資源管理をしていかなければ今後日本で魚が食べられなくなることもあり得るということだった。日吉様のおっしゃる通り、危機感を認知することは重要であり、それを理解することで今なら食料問題の危機を食い止められる。この食糧問題から一次産業従事者はより必要となる。私自身後継者不足については、若者に漁師の魅力を伝えるという考えしかなかったが、危機感からの漁師の重要性を訴えることも一つのアプローチである。また、ワークショップでは漁師の魅力をアニメ化したり、漁師という仕事だけではなくその地域の暮らしやすさをアピールするなど多くの意見が出た。自分だけでは思いもつかなかった意見や率直な思いからどうしたら問題を解決できるかについて話し合えたため、その点は成果である。しかし、食糧問題について強く語っていらっしゃったのでテーマを後継者不足解決策とするのは少し難しかったという意見や、班によってはなかなか自分の意見が持てなかったという意見もあった。このことから、ワークショップの課題として事前準備段階で登壇者の発言をより予測することや話し合いを詰めておかなければならなかった。また、意見を持ちにくかったということは、事前知識の不足や話しやすい環境の問題でもあると思ったため、リハーサルを行ったり、事前にテーマを提供しておいたり、アイスブレイクをしたりするなどの工夫があってもよかったと反省した。しかし、あらゆる世代が交流できる機会は貴重と言っていただいた。今後は自分自身が本日の内容も参考にして、水産業課題について考えていきたい。

〇今回の伊東市役所での水産業ワークショップにて、私はアートの観点から伊東漁業の魅力をP Rしたいと思い第二部の講義を担当させて頂きました。伊東漁業と商業デザインというテーマのもと講義を進めたあと、ワークショップでは商業デザインの力を活用して伊東の水産物である伊東ナゲットの魅力を伝えるにはどうしたら良いかをグループで話し合いました。講義については、初めての取り組みであったため、具体例や質問を取り入れるなどしてできる限り退屈にならないよう努めました。ワークショップでは、伊東ナゲットの調理の手間がかからない点に着目し、主婦に向けてチラシを出す案や、頭が良くなると言われている青魚特有の成分であるD H Cに着目し、難関大を目指す学生に向けて販売するという案が出ました。今回のテーマではほとんどの班が同じような意見であったというのが反省点ではありますが、各自のペンを書き進めるのが早かったり、各班で意見が盛り上がっていたりと、積極的に考えを深め合ってくれていたのが印象的でした。今回の講義を通して、商業デザインについて少しでも理解を深めてもらえたことは大きな収穫となりました。

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